葵―春物語 1−20
いつの間にか寝てしまったようで、目が覚めたのは夕方だった。
階下で何か話し声が聞こえてくる・・・話しながら階段を上がってきているようだ。
母さんと誰かが・・・
「わざわざすみませんねぇ、ちょっと待ってください」
ガチャッとドアが開いた。 俺の部屋の鍵は かからないんだ。
弟の拓弥が昔、暴れて壊して・・・そのままになってる。
「あおい――っ、間宮さんが お見舞いに来られたわよ。 じゃ、ごゆっくり間宮さん」
地声の大きい母さんの声が、部屋の中に響き渡る・・・
約10畳で、大声出ださなくったって聞こえるのに。
布団をかぶり、返事をした。
「ん―――っ、ダルイんだって」
「だいぶ酷いのかい? ごめん葵・・・俺」
部屋の中ほどまで、間宮桐が入って来た気配がした。
「桐のせいじゃないし、俺・・・が変なんだ・・・俺 変わっちまったんだ 桐」
布団をかぶったまま、俺は答えた。
聞こえてきたのは押し殺したような、震えた声・・・
自分の声に戸惑いながら、今日あった事を話した。
桐は、話を聞きながら布団の上から、トントンと俺を慰める様に触れた。
涙が、止まらなくなって 胸が苦しくて、切なくて、辛かった。
「ごめん・・・ごめんよ、葵・・・本当にごめん。 俺が悪いんだ」
「桐は悪くないって言ってるだろ」
違うって言ってるのに。 桐のせいじゃない。 俺が変なんだ。
「・・・・・・知ってたんだ・・・俺」
「何が」
「葵は気付かなかったのかも・・・随分前から狙われてたんだよ、葵は」
「狙われてた・・・って」
「今に今始まった事じゃないんだ。 葵争奪戦、結構 凄いんだって」
「何言って・・・」
俺はバーゲンの商品か?!変な言い方しやがって・・・
「俺、他の奴等に葵を取られたくなくてさ、結構予防線張ってたんだけど、あいつ等 最後の夏にって、色めき立ってきたんだ、だから俺・・・抜け駆けしてGW中に頂いちゃおうかって・・・」
「なっ!! バカ 桐 なんだよそれ!!」
布団を跳ね上げ起き上がった。
桐は俺のベットの横で、神妙な表情で座っていた。
「結果的に俺じゃなくて、兄貴に取られちゃって・・・ でもって、葵の色気が表に溢れ出るようになっちゃって・・・ 余計奴等に拍車が かかっちゃったんだ」
「んなこと・・・俺、色気なんて・・・」
色気って何だよ、俺、そんなフェロモン垂れ流しなのかよ、冗談きついぜ。
「兄貴が、夢中になるなんて、初めてだよ。 大抵一回きりだもん。 葵さぁ、兄貴に何回やられたのさ・・・ 兄貴を惑わせる程の色気が溢れてるって証明だろ」
「・・・・・・・・・」
何回ってそりゃ・・・んなこと数えてないって。
途中から意識なくしたりしたし・・・
桐の視線に、居心地の悪い思いをしながら、うつむいた。
俺の手に桐の手が重なった。 視線が絡み合う。
縋る様な桐の視線に、胸が熱くなった。
この感情は・・・一体なんだ・・・初めての感情に戸惑う。
桐は、中腰になり 俺の額に桐の額をくっ付けた。
「葵、ごめんね。 好きだよ 好きなんだ ごめん」
「き・・・り・・・」
好きって・・・ 桐、お前・・・何に言ってるんだ・・・ 好き?!・・・俺の事好き?!
それって、恋愛感情なのか・・・ 桐が俺を好き・・・ 俺を、好き・・・
メロメロニさせて優位に立て・・・ 結構 可愛いのな・・・ しようぜ いいだろ・・・
好きだよ、好きなんだ・・・ 遊ばれてしまうぞ・・・ 情欲処理だ・・・
今日言われた言葉が、頭の中をぐるぐる回り、なかなか理解できない、混乱状態に陥った。
うあ・・・うぁ・・・うぁ・・・
桐は 顔をずらして、葵の唇に唇を重ねた。
優しく、触れるだけのキス・・・
葵の頬を、両手で包み込んで、唇で葵のそれを食んだ。
葵の目は、虚ろで焦点が合ってない・・・
くすっ・・・もらった・・・ 今度こそ逃がさないよ・・・ 葵・・・
( トップページへ )
階下で何か話し声が聞こえてくる・・・話しながら階段を上がってきているようだ。
母さんと誰かが・・・
「わざわざすみませんねぇ、ちょっと待ってください」
ガチャッとドアが開いた。 俺の部屋の鍵は かからないんだ。
弟の拓弥が昔、暴れて壊して・・・そのままになってる。
「あおい――っ、間宮さんが お見舞いに来られたわよ。 じゃ、ごゆっくり間宮さん」
地声の大きい母さんの声が、部屋の中に響き渡る・・・
約10畳で、大声出ださなくったって聞こえるのに。
布団をかぶり、返事をした。
「ん―――っ、ダルイんだって」
「だいぶ酷いのかい? ごめん葵・・・俺」
部屋の中ほどまで、間宮桐が入って来た気配がした。
「桐のせいじゃないし、俺・・・が変なんだ・・・俺 変わっちまったんだ 桐」
布団をかぶったまま、俺は答えた。
聞こえてきたのは押し殺したような、震えた声・・・
自分の声に戸惑いながら、今日あった事を話した。
桐は、話を聞きながら布団の上から、トントンと俺を慰める様に触れた。
涙が、止まらなくなって 胸が苦しくて、切なくて、辛かった。
「ごめん・・・ごめんよ、葵・・・本当にごめん。 俺が悪いんだ」
「桐は悪くないって言ってるだろ」
違うって言ってるのに。 桐のせいじゃない。 俺が変なんだ。
「・・・・・・知ってたんだ・・・俺」
「何が」
「葵は気付かなかったのかも・・・随分前から狙われてたんだよ、葵は」
「狙われてた・・・って」
「今に今始まった事じゃないんだ。 葵争奪戦、結構 凄いんだって」
「何言って・・・」
俺はバーゲンの商品か?!変な言い方しやがって・・・
「俺、他の奴等に葵を取られたくなくてさ、結構予防線張ってたんだけど、あいつ等 最後の夏にって、色めき立ってきたんだ、だから俺・・・抜け駆けしてGW中に頂いちゃおうかって・・・」
「なっ!! バカ 桐 なんだよそれ!!」
布団を跳ね上げ起き上がった。
桐は俺のベットの横で、神妙な表情で座っていた。
「結果的に俺じゃなくて、兄貴に取られちゃって・・・ でもって、葵の色気が表に溢れ出るようになっちゃって・・・ 余計奴等に拍車が かかっちゃったんだ」
「んなこと・・・俺、色気なんて・・・」
色気って何だよ、俺、そんなフェロモン垂れ流しなのかよ、冗談きついぜ。
「兄貴が、夢中になるなんて、初めてだよ。 大抵一回きりだもん。 葵さぁ、兄貴に何回やられたのさ・・・ 兄貴を惑わせる程の色気が溢れてるって証明だろ」
「・・・・・・・・・」
何回ってそりゃ・・・んなこと数えてないって。
途中から意識なくしたりしたし・・・
桐の視線に、居心地の悪い思いをしながら、うつむいた。
俺の手に桐の手が重なった。 視線が絡み合う。
縋る様な桐の視線に、胸が熱くなった。
この感情は・・・一体なんだ・・・初めての感情に戸惑う。
桐は、中腰になり 俺の額に桐の額をくっ付けた。
「葵、ごめんね。 好きだよ 好きなんだ ごめん」
「き・・・り・・・」
好きって・・・ 桐、お前・・・何に言ってるんだ・・・ 好き?!・・・俺の事好き?!
それって、恋愛感情なのか・・・ 桐が俺を好き・・・ 俺を、好き・・・
メロメロニさせて優位に立て・・・ 結構 可愛いのな・・・ しようぜ いいだろ・・・
好きだよ、好きなんだ・・・ 遊ばれてしまうぞ・・・ 情欲処理だ・・・
今日言われた言葉が、頭の中をぐるぐる回り、なかなか理解できない、混乱状態に陥った。
うあ・・・うぁ・・・うぁ・・・
桐は 顔をずらして、葵の唇に唇を重ねた。
優しく、触れるだけのキス・・・
葵の頬を、両手で包み込んで、唇で葵のそれを食んだ。
葵の目は、虚ろで焦点が合ってない・・・
くすっ・・・もらった・・・ 今度こそ逃がさないよ・・・ 葵・・・
( トップページへ )
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://masakisaralove.blog33.fc2.com/tb.php/367-cc2fd087



















