葵―春物語 2−2
葵は教室に戻ると、窓辺に陣取り、両肘を付いて外を眺めた。
さっきまで曇りだったけど、パラパラと小雨が降り振り出した。
眠いっちゃー眠いんだけどなぁ・・・
水分を含んだ風が心地よく顔に当たった。
目を閉じて、腕の上に顔を乗せた。
背後に人の気配を感じたけど、放っておく。
「葵、具合悪いのか」
心配そうな信井の声が聞こえた。
「んー、眠いだけ」
「そっか」
俺の頭にポンと手を載せて、呟いた。
それきり何も言わず、手が離れた。
もうちょっと触れていて欲しかったかも・・・
信井の手の感触が名残惜しくて身じろいだ。
何も言わず、信井は外を眺めているようだ。
信井の周りの空気が心地良かった。
マジ眠ってしまいそうだ。
「五、六時間目、美術だ 風景画のはずだけど・・・降ってきたな、外は無理か・・・な」
「んー、なら何やんの・・・」
「・・・んな事 俺に聞くか? ・・・そうだな・・・ 体育祭のポスター案作りになるかも」
「あー、体育祭かぁ・・・そーいや近いか」
目を開けて、信井の顔を見上げると、目が合ったドキッ!
信井は、ふっと微笑み視線を外に向けた。
いや、ビックリしただけだ・・・落ち着け俺。
信井 相手にトキメイテどうするよ。 俺 親友失っちまう。
信井は、すっと俺から離れた。 やばっ、バレタか信井に・・・俺そんな変か・・・
「葵ぃ、そろそろ移動しようぜぇ〜〜」
ダチの幸久がしな垂れかかってきた。
あぁ何だ、幸久が近付いたからか・・・ほっと胸を撫で下ろした。
幸久が近付くと、いつも信井は俺から離れるんだよなぁ・・・最近気付いたんだけど。
もしかして、幸久と気が合わねぇのか・・・信井は。
顔だけ信井の方を向くと、信井は自席に戻り、移動の準備をしている。
「ん、じゃぁ・・・そろそろ行くかな 幸久 重いって、 俺の荷物取れねぇだろ」
幸久を押し退けて、美術室への持ち物を鞄から出し、幸久と連れ立って移動した。
授業は、信井の予測通り、体育祭のポスター案作りになった。
案ってもなぁ、んな事、前から気に留めておかないと、すぐに出ないって・・・
雨は本降りになって・・・窓から見える癒しの空間に視線を向けた。
アジサイの葉が雨にキラキラと輝いている。 ますます元気が良くなるようだ。
小さな蕾も付け始めた。 ここのアジサイは、淡いピンクから紫に変化する奴だっけ。
美術室は一般教室と棟が違って特別教室の棟の一階にある。
2階の連絡通路を通って一階の端の教室だ。 反対側の端には理科実験室がある。
美術室の教室の窓からは、ちょっとした癒しの空間が見える。
視線を感じるのは難点だが、気持ちのいい空間でよく利用したりする。
花壇や小さい噴水もあり、木製のベンチが、ちょこちょこと置いてあるんだ。
背の高い木の木陰に置いてあるベンチには、昼休みになると、読書をする女生徒が居る。
俺も時々利用するから、よく見るんだよな・・・話しかけたことはないけど。
この学校は男子生徒が断然多い。
男だけの特別クラスが一学年に2つもあるからだ。
可愛系、美人系の感じのする生徒なら、皆ほっとかないんだろうけど(失礼)
眼鏡の良く似合う、胸の辺りまで左右ミツアミに垂らしている。
今時を感じさせない、どっちかって言うと おとなしい系か・・・
そんな事をつらつら思い出しながら、渡されたポスター用 画用紙に視線を落とした。
ポスターねぇ・・・記載しなきゃいけないのは、この学校の名前と、日時・場所だよな。
あー、面倒くせぇ・・・
いや、これも単位に響くからなぁ・・・やんなきゃだけど。
ありふれたのだと、陸上競技の型抜きのデザイン・・・
花形のクラス対抗リレーをモチーフにしたの・・・か
けど、体育祭ってそれだけじゃないし・・・
わかりやすく、混み入ってなく・・・人の目を引き付けるようなデザイン・・・ねぇ。
何も描かないと、まずい気がして、記載事項を載せるスペースに薄く線を引いた。
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さっきまで曇りだったけど、パラパラと小雨が降り振り出した。
眠いっちゃー眠いんだけどなぁ・・・
水分を含んだ風が心地よく顔に当たった。
目を閉じて、腕の上に顔を乗せた。
背後に人の気配を感じたけど、放っておく。
「葵、具合悪いのか」
心配そうな信井の声が聞こえた。
「んー、眠いだけ」
「そっか」
俺の頭にポンと手を載せて、呟いた。
それきり何も言わず、手が離れた。
もうちょっと触れていて欲しかったかも・・・
信井の手の感触が名残惜しくて身じろいだ。
何も言わず、信井は外を眺めているようだ。
信井の周りの空気が心地良かった。
マジ眠ってしまいそうだ。
「五、六時間目、美術だ 風景画のはずだけど・・・降ってきたな、外は無理か・・・な」
「んー、なら何やんの・・・」
「・・・んな事 俺に聞くか? ・・・そうだな・・・ 体育祭のポスター案作りになるかも」
「あー、体育祭かぁ・・・そーいや近いか」
目を開けて、信井の顔を見上げると、目が合ったドキッ!
信井は、ふっと微笑み視線を外に向けた。
いや、ビックリしただけだ・・・落ち着け俺。
信井 相手にトキメイテどうするよ。 俺 親友失っちまう。
信井は、すっと俺から離れた。 やばっ、バレタか信井に・・・俺そんな変か・・・
「葵ぃ、そろそろ移動しようぜぇ〜〜」
ダチの幸久がしな垂れかかってきた。
あぁ何だ、幸久が近付いたからか・・・ほっと胸を撫で下ろした。
幸久が近付くと、いつも信井は俺から離れるんだよなぁ・・・最近気付いたんだけど。
もしかして、幸久と気が合わねぇのか・・・信井は。
顔だけ信井の方を向くと、信井は自席に戻り、移動の準備をしている。
「ん、じゃぁ・・・そろそろ行くかな 幸久 重いって、 俺の荷物取れねぇだろ」
幸久を押し退けて、美術室への持ち物を鞄から出し、幸久と連れ立って移動した。
授業は、信井の予測通り、体育祭のポスター案作りになった。
案ってもなぁ、んな事、前から気に留めておかないと、すぐに出ないって・・・
雨は本降りになって・・・窓から見える癒しの空間に視線を向けた。
アジサイの葉が雨にキラキラと輝いている。 ますます元気が良くなるようだ。
小さな蕾も付け始めた。 ここのアジサイは、淡いピンクから紫に変化する奴だっけ。
美術室は一般教室と棟が違って特別教室の棟の一階にある。
2階の連絡通路を通って一階の端の教室だ。 反対側の端には理科実験室がある。
美術室の教室の窓からは、ちょっとした癒しの空間が見える。
視線を感じるのは難点だが、気持ちのいい空間でよく利用したりする。
花壇や小さい噴水もあり、木製のベンチが、ちょこちょこと置いてあるんだ。
背の高い木の木陰に置いてあるベンチには、昼休みになると、読書をする女生徒が居る。
俺も時々利用するから、よく見るんだよな・・・話しかけたことはないけど。
この学校は男子生徒が断然多い。
男だけの特別クラスが一学年に2つもあるからだ。
可愛系、美人系の感じのする生徒なら、皆ほっとかないんだろうけど(失礼)
眼鏡の良く似合う、胸の辺りまで左右ミツアミに垂らしている。
今時を感じさせない、どっちかって言うと おとなしい系か・・・
そんな事をつらつら思い出しながら、渡されたポスター用 画用紙に視線を落とした。
ポスターねぇ・・・記載しなきゃいけないのは、この学校の名前と、日時・場所だよな。
あー、面倒くせぇ・・・
いや、これも単位に響くからなぁ・・・やんなきゃだけど。
ありふれたのだと、陸上競技の型抜きのデザイン・・・
花形のクラス対抗リレーをモチーフにしたの・・・か
けど、体育祭ってそれだけじゃないし・・・
わかりやすく、混み入ってなく・・・人の目を引き付けるようなデザイン・・・ねぇ。
何も描かないと、まずい気がして、記載事項を載せるスペースに薄く線を引いた。
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