葵―春物語 2−4
葵は、自宅に戻ると、キッチンにいつも置いてある母お手製のオヤツを食べた。
今日のおやつは白玉団子だった。 白と緑だ・・・緑はヨモギ入り・・・
きな粉と砂糖をあわせ、塗してあった。
ほうじ茶を入れて、舌鼓を打つ。
至福のひと時だ、子供の頃は、誰が何個食べたのと良く喧嘩になった。
他の事では譲る長男もこの時ばかりは横暴で、3男の拓弥と共に食い意地がはり、
いつも、葵が後れをとり少なくなってしまうのだ。
兄弟の事を思い出してしまうのは、寂しいからだろうか・・・
携帯がなった。
メールが・・・記録した覚えのない・・・間宮檜の表示がされていた。
檜?
勝手に携帯をいじったのか とムッとしたが、
メールの中身を見た瞬間固まった。
『愛しい葵、俺は明日から一週間出張で留守をします。
・・・桐の携帯の映像その他は削除しました。
葵に酷い事をしてしまって申し訳ない。
桐には約束通り、お仕置きをしておいたからね。』
・・・桐の携帯の映像その他は削除しました・・・
み、見られた!! 俺のあんな恥ずかしい映像を・・・よりによって檜に!!
それも、桐に抱かれて、淫らな姿で喘いでいる映像を・・・
目の前が暗くなるのを感じ、そのまま俺は意識を手放した。
気が付くと、病院だった。
頭が痛い・・・手で触れると大きなタンコブが出来ていた。
帰宅後の母が見つけ、慌てて病院へ担ぎ込んだらしい。
まぁ、ダイニングテーブルの所で行儀良く、おやつを食べていたわけだし・・・
おやつを勢い込んで食べ、のどに痞えたと思ったらしい・・・
俺、そんな食い意地張ってないのに・・・
頭のこぶは、突っ伏して思い切りテーブルにでも、ぶつけたのではないかと・・・
意識がない俺を心配したんだろう事はわかるけど・・・でもそれにしても大げさな。
シップ薬が鼻にツーンとくる。
何処にぶつけたのかわからないけど、両腕共シップが巻かれていた。
軽い打ち身なんだろうけど。
俺は思い出して溜息を付いた。
檜にあわせる顔ナイジャン・・・
俺、浮気したって思われてるのかな・・・
どうしよう・・・
いや、もう止めよう・・・あれは事故だったんだ。
男に抱かれるなんてどうかしているんだ。
檜には、もう会うまい。
そう心に決めた。
あれは薬物による物で、事故だったんだから・・・と。
携帯は、キッチンに落ちていたらしく、母が俺の部屋に置いたと言っていた。
内容を見られたかも・・・と母の顔を窺うも、普段と変わらない様子に、胸を撫で下ろす。
母が連絡したのか、父が病院まで迎えに来てくれた。
ついでだと言って、買出しに付き合わされた。
シップの臭いプンプンで、店内に入るのは躊躇われたのだけど、
促されて、店内に入った。
家族3人で物色し、大量に買った・・・今晩のお惣菜も含めて。
俺を病院まで連れて行ったから支度してないのよと・・・母は笑う。
そんな、計画性のない買い方は、俺的には感心しないのだけど・・・
言っても直らないので、黙っておく。
夕飯を終え、部屋に戻ると、学校で見た桐の事が気になった。
さっきの檜のメール・・・お仕置きをしたって・・・
・・・・・っ・・・まさか、俺に使ったあの薬を桐に?!
体が覚えているあの感覚は・・・耐え難い淫狂の渦に巻き込まれる。
薬を使われた事は、わかっているから、隠れるだろうけど、
耐えて苦しんでいる時に、男に見つかれば間違いなく縋ってしまうだろう。
・・・・・じゃぁ、あの部室での事は、それをネタに桐が強請られたって事か!
あいつらは、桐を昨日も抱いたって そういうニュアンスだったし・・・
あぁ!! なんて事だ!! 桐を助けなきゃいけなかったんじゃないか!!
あいつらに抱かれているのを知ってて俺は、見捨ててしまった。
俺に対する好意は本物かもしれなかったのに・・・
いや、俺的には桐に対して特別な感情があるわけじゃないけど。
激しく抱かれた後は動けないのに・・・わかっていながら手を貸してやる事もしなかった。
あぁ俺って、なんて情のない野郎なんだろう!!
今更ながら、桐にメールを送ろうかと思って・・・いざ打ち込もうとして固まった。
体大丈夫か・・・とは打てない・・・俺が隣の部屋で聞き耳立てていたなんて言えるか!
助けてやらなくてすまない・・・これもおかしい。
部活休んで申し訳ない・・・ 待て待て、桐が5人相手して、部活に出たか?無理だろ。
なら、なんと打つ・・・
『檜さんからメール来た、明日から一週間出張だってな 一人で大丈夫か?』
これならいいか・・・
いや待て・・・これだと、『泊まりに行こうか』と誤解されるかもしれない・・・
勘ぐり過ぎか? でもなぁ・・・
やっぱ止めた・・・メールはなし。
ベットにひっくり返って伸びをした。
携帯がなった、信井からだ。
「信井?」
「ん、体大丈夫か」
「うん、いや・・・たんこぶと打ち身がちょっとな」
「えっ?! どうしたんだ」
焦った声が電話の向こうから聞こえてくる、俺は笑い出してしまった。
「おやつ食べてて、意識がなくなって、こぶが出来た、あはは」
「おいっ! 精密検査受けたのか?」
何笑ってるんだと、真剣な声が聞こえてくる。 心配性なんだから信井は。
「ううんでも、母さんが見つけて病院に担ぎ込んでくれたし 医者に見てもらったから」
「そうか・・・なら・・・大丈夫か・・・あんま無理すんなって言ったろが」
「無理してないって、おやつ食ってただけだし」
檜からのメールでショック受けて意識がなくなったとは言えない。
言うためには、檜と桐に抱かれた事を話さなきゃならなくなるし・・・
俺・・・変態だって信井に思われたくない・・・し。
抱かれて気持ちよくなってしまった・・・のは間違いない、例え不本意であっても。
信井に対する感情が、友人のそれとは少し違っている事に、気付いてしまったから余計に。
気付かれたくない・・・し。
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今日のおやつは白玉団子だった。 白と緑だ・・・緑はヨモギ入り・・・
きな粉と砂糖をあわせ、塗してあった。
ほうじ茶を入れて、舌鼓を打つ。
至福のひと時だ、子供の頃は、誰が何個食べたのと良く喧嘩になった。
他の事では譲る長男もこの時ばかりは横暴で、3男の拓弥と共に食い意地がはり、
いつも、葵が後れをとり少なくなってしまうのだ。
兄弟の事を思い出してしまうのは、寂しいからだろうか・・・
携帯がなった。
メールが・・・記録した覚えのない・・・間宮檜の表示がされていた。
檜?
勝手に携帯をいじったのか とムッとしたが、
メールの中身を見た瞬間固まった。
『愛しい葵、俺は明日から一週間出張で留守をします。
・・・桐の携帯の映像その他は削除しました。
葵に酷い事をしてしまって申し訳ない。
桐には約束通り、お仕置きをしておいたからね。』
・・・桐の携帯の映像その他は削除しました・・・
み、見られた!! 俺のあんな恥ずかしい映像を・・・よりによって檜に!!
それも、桐に抱かれて、淫らな姿で喘いでいる映像を・・・
目の前が暗くなるのを感じ、そのまま俺は意識を手放した。
気が付くと、病院だった。
頭が痛い・・・手で触れると大きなタンコブが出来ていた。
帰宅後の母が見つけ、慌てて病院へ担ぎ込んだらしい。
まぁ、ダイニングテーブルの所で行儀良く、おやつを食べていたわけだし・・・
おやつを勢い込んで食べ、のどに痞えたと思ったらしい・・・
俺、そんな食い意地張ってないのに・・・
頭のこぶは、突っ伏して思い切りテーブルにでも、ぶつけたのではないかと・・・
意識がない俺を心配したんだろう事はわかるけど・・・でもそれにしても大げさな。
シップ薬が鼻にツーンとくる。
何処にぶつけたのかわからないけど、両腕共シップが巻かれていた。
軽い打ち身なんだろうけど。
俺は思い出して溜息を付いた。
檜にあわせる顔ナイジャン・・・
俺、浮気したって思われてるのかな・・・
どうしよう・・・
いや、もう止めよう・・・あれは事故だったんだ。
男に抱かれるなんてどうかしているんだ。
檜には、もう会うまい。
そう心に決めた。
あれは薬物による物で、事故だったんだから・・・と。
携帯は、キッチンに落ちていたらしく、母が俺の部屋に置いたと言っていた。
内容を見られたかも・・・と母の顔を窺うも、普段と変わらない様子に、胸を撫で下ろす。
母が連絡したのか、父が病院まで迎えに来てくれた。
ついでだと言って、買出しに付き合わされた。
シップの臭いプンプンで、店内に入るのは躊躇われたのだけど、
促されて、店内に入った。
家族3人で物色し、大量に買った・・・今晩のお惣菜も含めて。
俺を病院まで連れて行ったから支度してないのよと・・・母は笑う。
そんな、計画性のない買い方は、俺的には感心しないのだけど・・・
言っても直らないので、黙っておく。
夕飯を終え、部屋に戻ると、学校で見た桐の事が気になった。
さっきの檜のメール・・・お仕置きをしたって・・・
・・・・・っ・・・まさか、俺に使ったあの薬を桐に?!
体が覚えているあの感覚は・・・耐え難い淫狂の渦に巻き込まれる。
薬を使われた事は、わかっているから、隠れるだろうけど、
耐えて苦しんでいる時に、男に見つかれば間違いなく縋ってしまうだろう。
・・・・・じゃぁ、あの部室での事は、それをネタに桐が強請られたって事か!
あいつらは、桐を昨日も抱いたって そういうニュアンスだったし・・・
あぁ!! なんて事だ!! 桐を助けなきゃいけなかったんじゃないか!!
あいつらに抱かれているのを知ってて俺は、見捨ててしまった。
俺に対する好意は本物かもしれなかったのに・・・
いや、俺的には桐に対して特別な感情があるわけじゃないけど。
激しく抱かれた後は動けないのに・・・わかっていながら手を貸してやる事もしなかった。
あぁ俺って、なんて情のない野郎なんだろう!!
今更ながら、桐にメールを送ろうかと思って・・・いざ打ち込もうとして固まった。
体大丈夫か・・・とは打てない・・・俺が隣の部屋で聞き耳立てていたなんて言えるか!
助けてやらなくてすまない・・・これもおかしい。
部活休んで申し訳ない・・・ 待て待て、桐が5人相手して、部活に出たか?無理だろ。
なら、なんと打つ・・・
『檜さんからメール来た、明日から一週間出張だってな 一人で大丈夫か?』
これならいいか・・・
いや待て・・・これだと、『泊まりに行こうか』と誤解されるかもしれない・・・
勘ぐり過ぎか? でもなぁ・・・
やっぱ止めた・・・メールはなし。
ベットにひっくり返って伸びをした。
携帯がなった、信井からだ。
「信井?」
「ん、体大丈夫か」
「うん、いや・・・たんこぶと打ち身がちょっとな」
「えっ?! どうしたんだ」
焦った声が電話の向こうから聞こえてくる、俺は笑い出してしまった。
「おやつ食べてて、意識がなくなって、こぶが出来た、あはは」
「おいっ! 精密検査受けたのか?」
何笑ってるんだと、真剣な声が聞こえてくる。 心配性なんだから信井は。
「ううんでも、母さんが見つけて病院に担ぎ込んでくれたし 医者に見てもらったから」
「そうか・・・なら・・・大丈夫か・・・あんま無理すんなって言ったろが」
「無理してないって、おやつ食ってただけだし」
檜からのメールでショック受けて意識がなくなったとは言えない。
言うためには、檜と桐に抱かれた事を話さなきゃならなくなるし・・・
俺・・・変態だって信井に思われたくない・・・し。
抱かれて気持ちよくなってしまった・・・のは間違いない、例え不本意であっても。
信井に対する感情が、友人のそれとは少し違っている事に、気付いてしまったから余計に。
気付かれたくない・・・し。
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